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宇佐市 宇佐神宮

大分見聞録 この記事は約 4 分で読めます。
 ■全国八幡社 総本宮 国宝指定(本殿)
 日本の代表的な八幡社としては石清水八幡宮(京都府)、鶴岡八幡宮(神奈川県)、筥崎宮(福岡県)が挙げられますが、その中で宇佐神宮は日本に四万社余りある八幡社の総本宮です。さらに皇室には伊勢神宮に次ぐ宗廟として崇敬を仰がれ、一般の人々にも鎮守の神として広く親しまれており、年間約百五十万人の善男善女が参拝しています。
 では、全国約十一万あるといわれる神社のなかで大多数を占める八幡社とはどういう神社で、宇佐神宮にお祀りされている神様とはどのような神様なのでしょう。それにはまず、八幡信仰とは何かをひもとく必要があります。
 八幡信仰の核、八幡神とは何かについては一般には武運の神、神仏習合はじまりの神とされ、その信仰の発生・発達は複雑で、海の神、鍛冶の神、など諸説あるようです。記紀によると宇佐にはもともと宇佐国造が祀る宇佐神がありましたが、宇佐八幡宮の縁起によると五七一年欽明天皇の頃、宇佐郡菱形池のほとりで大神比義が三年間祈り続けると、童子が現れ、八幡神応神天皇であると告げたと言い伝えられています。
 七二五年(神亀二年)現在の地に殿を造営し、八幡神を祀りました。これが宇佐神宮の創建とされています。

宇佐神宮

 応神天皇の御神霊が八幡神であり、その聖徳を八幡神として称え奉ることが八幡信仰で、後に中世武士の崇敬を受けて、「神は八幡」とされ、武運の神として全国に信仰が拡がっていきました。また、八幡神は仏教や道教とも融合(神仏習合)し、山岳信仰との関係も深めました。 また、平安時代には九州に広まっていた母子神信仰と結びつき、神母は人聞菩薩と呼ばれて安産、農耕、生産等の庶民信仰となり六郷満山を本拠に国東半島に栄えました。
 宇佐神宮の御祭神は一之御殿に八幡大神《誉田別尊(前述の応神天皇)》。二の御殿に比売大神《多岐津姫命・市杵嶋姫命・多紀理姫命》
三之御殿は神功皇后《息長帯姫命》が祀られています(上宮)。
ちなみに比売大神は以前から宇佐で信仰されていた神様で、神功皇后は応神天皇の御母となります。
 参拝の作法は左の一之御殿から二之御殿、三之御殿の順番でお参りするのが正式となっています。また、境内の麓には「下宮」が建立されており、上宮と同じ神様が祀られ、作法も同じです。どちらかのみ参拝するのは「片参り」と言って、けっしてよいことでは無いとされています。
 一般的な神社では「二拝二拍手一拝」が参拝時の作法ですが、宇佐神宮は四回手を打つ「二拝四拍手一拝」となっていますので、間違えないようにしましょう。
 宇佐神宮は、県内屈指の観光名所で、近年パワースポットとしての呼び名も高く、踏むことで良縁を授かれると言われる「夫婦石」。触れながら御利益を願うとパワーを頂けると言われる樹齢約八百年の御神木、「大楠の木」。一生に一度だけ願いを叶えてくれるという「願掛け地蔵」が代表的なスポットですが、他にも立ち寄りたい数々のスポットが点在しています。
 春は約三百本の桜の名所として知られ、夏には勇壮な「御神幸祭(夏越祭り)」、また疫病災禍を鎮める「鎮疫祭」、田植神事の「御田植祭」などが催され、足を運べばきっと御利益がある神力を、ぜひ頂いてください。
注釈
*1宗廟:皇室の祖先を祭っている所。
*2記紀:古事記と日本書紀。
*3国造:大化の改新以前における世襲制の地方官。地方の豪族で、朝廷から任命されてその地方を統治した。大化の改新以後は廃止されその多くは郡司となってその国の神事もつかさどった。
*4縁起:社寺などの起源•沿革や由来。また、それを記した書画など。
*5大神比義:平安時代に豊後国に土着した武士の有力な氏族で豊後大神氏とも呼ばれる。対立した崇峻天皇を暗殺して実権を握った蘇我馬子が宇佐に遣わし、八幡神に応神天皇の神格を与えたといわれる。
*6母子神信仰:母神と童神二神を祀る信仰で、母と子に宿る聖なる力、子育ての力を信じて、それを祭祀の対象とする。
写真キャプション
宇佐神宮の鳥居は台輪を柱上に置いていて(左右の柱上にある黒い台輪)、額束(四角い神社の名前などを表示したもの)が無いのが特徴。
県指定有形文化財 南中楼門(勅使門)/神宮内郭の南正門でこの奥に本殿がある。高良(こうら)大明神、阿蘇(あそ)大明神の二神を御門の神として祀る入母屋造桧皮葺楼門。通常は開かずの門となっています。
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