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宇佐市 双葉山 定次

大分見聞録 この記事は約 4 分で読めます。

◆大分県宇佐市下庄出身、元大相撲力士 第三五代横綱。明治四五年(一九一二年)二月九日誕生。昭和四三年(一九六八年)一二月一六日没。本名龝吉 定次

一説には、一三〇〇年以上の歴史があるとされている相撲。江戸時代には庶民の娯楽として、また興業として盛んに行われました。もともとは、神道に基づいた神事ともいわれ、行司の装束や、朗々と響く呼び上げ、絢爛豪華な化粧回しを締めて行う土俵入り、結びの一番の後で格式ある独特の作法で行われる弓取り式など、ひとつひとつの要素が神聖な儀式美として目に映ります。

また、礼儀作法が重視され、力士の生活様式や風貌などに伝統的な形が維持されていることなどから、単なる格闘技の範疇では納まらない重厚な歴史・文化的側面を併せ持っていると言えるでしょう。それ故、時代を越えて国民の厚い支持を誇って来たのだろうと思えます。

大分県も数多くの力士を輩出してきました。例えば、豊國 福馬(大分市)、千代大海 龍二(大分市)、玉乃海 太三郎、(中津)、板井 圭介(臼杵市)、垣添 徹(宇佐市)などの力士のほかにも錚々たる面々が名を連ねています。

その中に不世出の六九連勝の大記録を樹立し、昭和の角聖といわれた第三五代横綱、双葉山 定次(以下、双葉山)がいます。双葉山のお膝元、宇佐市では、半世紀以上の伝統がある全国相撲宇佐大会が毎年開催されていますが、県の内外から大勢の相撲ファンが詰め掛け若い力士たちの熱戦に惜しみない拍手を送るなど、相撲文化の礎を支える大会となっています。

ここで、双葉山の人物像に触れてみましょう。その実績からするとまさに類い稀な才能に恵まれた力士のように思えてしまいますが、幼少の頃よりバランス感覚や身体能力は高かったものの、意外にも相撲は苦手だったそうです。さらに五歳の時の事故が原因で右目がほぼ失明に近い状態となり、その上一一歳の頃に右手小指の一部を潰すというハンディまで負いました。しかし、相撲界に進んでも、このことは語らず泰然自若として、ひたすら稽古に励んだといわれます。

双葉の里

また、双葉山は独自の哲学のもとに相撲道に邁進していきましたが、その道程の中、多くの言葉で後続の力士たちを指導したといわれます。後に親方(時津風親方)になり、弟子達に説いた名言に「稽古は本場所のごとく、本場所は稽古のごとく」があります。これは「稽古は本場所のように。緊張感をもって取り組み、本場所ではリラックスして臨むように。」という意味と考えられています。

スポーツ界ではよく、「心技体」が重要な理念として語られますが、双葉山は技術面は口にせず、技より心を上位に置く「心気体」が重要と説いたといわれます。

双葉山には、力水を一度しかつけないとか、待ったをしなかったとか、様々なエピソードがありますが、これは前述の右目のハンディがあるが故に、土俵の上で余計な動きをしたくないと考えたからで、立ち合いで気持ちをしっかり集中させるための苦心の策であったようです。その上で、相手より遅れて立っているように見えて実は、組んだときにはすでに有利な体勢にあり、先をよみ相手の先手をとるという「後の先」を完成させたのです。

自分のハンディを乗り越え、大記録を樹立してもなお、「われ未だ木鶏たりえず」と常に真摯な姿勢で相撲道に向き合いつづけた双葉山。現在の相撲界に大きな功績を遺したことはいうまでもありません。

 

注釈 ※1われ未だ木鶏たりえず:七十連勝をかけて臨んだ昭和十四年一月場所四日目、約三年間勝ち続けていた双葉山は、ついに安芸ノ海に破れる。 これは、その日の夜、知人に打電した言葉。無心の境地に至れなかった自分を戒めたのである。「木鶏」とは中国の故事 に由来する言葉で、木彫りの鶏のように全く動じることのない最強の状態にある闘鶏のこと。 写真キャプション ■双葉山の生家の向かいの資料展示資料展示室に設置されている威風堂々と佇む、等身大の双葉山像。 ■故郷である宇佐市下庄に復元された双葉山の生家。真向かいには平成11年に双葉山の顕彰とともに宇佐市を広く発信するための観光交流施設「双葉の里」があります。その資料展示室には双葉山愛用の化粧まわし、火鉢など約80点の貴重な資料・記録が展示されています。

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